さらに、「幹部や保衛員(秘密警察)、裕福な層の家庭では抜き打ち検閲がほとんど行われないため、韓国製品を自由に使用できる」とし、「韓国製と中国製の炊飯器を両方所持し、中国製を見える場所に置いて、韓国製は隠して使う人もいる」と述べた。
(参考記事:「見てはいけない」ボロボロにされた女子大生に北朝鮮国民も衝撃)両江道(リャンガンド)の情報筋は、中国当局が北朝鮮の国家機関による密輸を取り締まっていた体制が緩和されつつあり、北朝鮮の貿易会社が商品を受注し始めていると伝える。その中には韓国製炊飯器も含まれているという。
(参考記事:中国の「密輸」取り締まりで北朝鮮の地域経済に打撃)韓国製炊飯器は、ご飯がおいしく炊けて品質も高く、耐久性にも優れていることから、裕福な市民や司法機関の幹部らに特に人気がある。音声機能を解除し、隠して使えば問題にならないというのが現地の共通認識だ。
この人気を受けて、一部の密貿易業者も韓国製炊飯器の密輸に動いている。帰国する幹部の手荷物として包装し、税関を通過させる手口が用いられているという。
情報筋はさらに、「当局は韓国製品の使用を政治的犯罪として取り締まっているが、一度その品質を経験した住民の韓国製品への欲求は簡単に抑えられない」と語り、「しゃべる炊飯器の音声機能を解除してまで密かに持ち込もうとするのは、それだけ韓国製品が魅力的だからだ」と述べた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面もっとも、電気炊飯器を使えるのは一部の特権層に限られている。多くの北朝鮮国民はいまだに、かまどに薪や練炭をくべてご飯を炊くという生活を余儀なくされているのが現状だ。